将来の子供達の学びと職業は?今後学校教育を考える!

教育, 子育て・教育

将来の子供達の学びと職業は?今後学校教育を考える!

将来の子供達の学びと職業は?今後学校教育について考えましょう

今回は、子供がいらっしゃるご両親など特に将来自分の子供はどのような職業に就くのか、気になるところだと思います。

今後の学校教育についてご説明させていただきます。

2016年7月29日、文部科学省は「次世代の学校指導体制強化のためのタスクフォース」の検討結果最終まとめを発表しました。

これは、学校教育現場の現状を踏まえたうえで、次世代の学校における教員の在り方、学習指導の在り方などの方針をまとめたもので、この内容が今後の学校教育のひとつの指針となることが予想されます。

今回は、この「次世代の学校指導体制強化のためのタスクフォース」から、今後の学校教育について考えていきましょう。

話題となっている「教育の2020年問題」とは?

2020年に現在の「大学入試センター試験」が廃止され「大学入学共通テスト」がスタートします。

戦後最大の教育改革ともいわれる大きな変革だと思うのですが、計画されている教育改革とは一体どのような改革なのでしょうか?

将来の子どもたちの教育内容や将来設計などとても気になると思います。

今回はその教育改革の概要をみていきましょう。

日本の教育は他国に比べて遅れている?

プログラミングに夢中な少年

日本では少子化に伴い年々18歳の人口が減少を続けていて、経済力を生み出す生産人口の減少や国内の財政逼迫が重なり、経済再生が急がれています。

世界では多極化などで巨大国だけでなく中小の国々がどんどん力をつけています。

特に北欧など、スウェーデンの教育を例にあげますが、

スウェーデンの基礎学校は9年間

スウェーデンでは7歳から基礎学校がスタートし、15歳(日本でいう中学校卒業)までが義務教育期間です。

基礎学校だけではなく大学までの学費が無料

スウェーデンでは基礎学校前のプレスクールクラスの1年間、基礎学校の9年間、高校の3年間、そして大学も入学金や学費が無料です。

基礎学校在学中は学費のほか、教科書代やノートやペンに至るまで基本的に無料なので、スウェーデンでは親は子どもの教育費を心配することはほとんどないようです。

日本の社会構造も年功序列、終身雇用が崩壊に近づいており、大企業に就職しても一生を保証される時代は既に終わっているといわれているなか、

さらに、ロボット化、AI(人工知能)技術の進化により、人がこれまで行ってきた作業が機械やシステムに置き換わっていこうとしています。

これからの子供達には自動化したもに対して

こうすればもっと便利になる。

こう使えば時間を短縮できる。

など論理的思考の教育も視野に入れられていて、2020年度からプログラミング教育が必修化されたりなどの変化が起きています。

他国と比べても少し出遅れているとは思いますが、日本も少しずつ変わろうとしているのです。

ニューヨーク市立大学大学院センターのキャシー・デビッドソン教授は「2011年に小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業後、今は存在していない職業に就く」という説を発表しています。

「日本でも自らチャレンジし、自分の力で人生を切り拓くことのできる人材」の育成が緊急の課題となってきているとして、文部科学省から発表されたのが「高大接続改革実行プラン」です。

「高大接続改革実行プラン」とは?

「受け身の教育から能動的学習へ」をテーマに政策を実施されることになり、その骨子となるのが「高大接続改革実行プラン」です。

「高等学校」・「大学教育」・「大学入学者選抜」は密接に関連しているため一貫した取り組みが必要であり、三者の一体的改革として計画が進行しています。

教育改革、いつから何が変わるの?

下記は主な施策が実施されるスケジュールの概要です。

【2019年】高校生のための学びの基礎診断

「高校生のための学びの基礎診断(仮)」を皮切りに、これまで学んだことの理解(「知識・技能」)をチェックすることに重きを置くのではなく、「知識・技能」を元に「思考力」「判断力」「表現力」などを評価する記述式問題が導入されます。

どの問題も正解が一つだけ存在するといった現行のマークシート方式の問題から変更されるようになります。

【2020年】大学入学共通テストがスタート

現行の「大学入試センター試験」が廃止され「大学入学共通テスト(仮)」が実施されますが、下記の点が大きく変わります。

国語と数学で記述式問題を導入

多様なテキストを読み取り、複数の情報を組み合わせて新しい考えをまとめて記述するといった問題が作成され、思考力・判断力・表現力を評価します。

英語では4技能(読む、書く、聞く、話す)で評価

「書く」と「話す」の技能が加わり、民間の英語資格や英語検定を活用しその成績を段階別に評価する方式になります。

【2020年〜2024年】小中高に次期学習指導要領が実施

2020年から順次実施される、次期学習指導要領については「主体的な学び、対話的な学び、そして深い学び」の実践を理念に掲げた教育の取り組みがされ、知識の理解の質を高め、資質と能力を育むことを目的に教育の充実が図られます。

特に英語教育では既に2011年から小学5・6年生に「外国語活動」が導入されています。

そして2020年以降には小学生にも情報活用能力の教育として、プログラミングの必修化が検討されています。

現在の「日本式学校教育」の優れた点とは

現在の「日本式学校教育」の優れた点とは

日本の学校教育の在り方は、諸外国と大きく異なる部分があります。

それは、教職員の子どもへの携わり方。

諸外国では、教職員の業務は「授業」に特化していますが、日本では、教職員が授業はもちろん、生活指導や部活指導までを一体的に行っています。

さらに、通学路での安全確保や夜回り指導といった学校外での子どもの活動にも、教職員が対応するケースも。

このように、日本の学校教育には、子どもたち一人ひとりを総合的に把握しながら指導するという特徴があります。

現在の日本型学校教育は、幼いうちに身につけるべき資質や人格、能力を育むための場として学校が発展してきた姿だといえるでしょう。

これからの学校が対応すべき課題も多数

これからの学校が対応すべき課題も多数

このような日本型学校教育は国際的にも評価が高く、海外でも参考にされているほど。

しかし、一方で、日本の学校教育現場では、今後取り組まなければならない課題も少なくありません。

・子どもを取り巻く課題

例えば、現在、不登校やいじめ、校内暴力、貧困、児童虐待など、子どもを取り巻く課題は複雑化・多様化しています。

地域によっては過疎化の進行による児童数の減少、ひとり親家庭の増加による家庭の孤立化、地域の繋がりの希薄化といった問題もたくさんあります。

・教職員を取り巻く課題

先述した日本型学校教育は優れた点が多い反面、それは現場の教職員の「大きな負担」の上に成り立っているという現実があります。

例えば、始業前や放課後、休日の部活指導や生活指導など、文字どおり「朝から晩まで」「休日返上」で業務に当たっている教職員がたくさんいるのです。

また、子どもたちが抱える課題が複雑化・多様化していることも、教職員にとっては頭を悩ませる問題となっています。

このような教職員を取り巻く労働環境、労働条件に関する項目も、今後改善していかなければならない課題です。

・時代の進歩にともなう課題

グローバル化や人工知能の飛躍的な進歩によって加速度的に変化する社会に応じた教育も、次世代の学校においては非常に重要です。

より広い視野を持ち、予測が難しい社会のなかで生き抜く力をつけるための実践的教育が必要になるといえるでしょう。

このように、次世代の学校教育においては、引き続き解決すべき課題、あらたに取り組むべき課題がたくさんあります。

次世代の学校教育が目指す姿、その実現への構想とは?

次世代の学校教育が目指す姿、その実現への構想とは?

1.学習指導要領改定にともなう「社会に開かれた教育課程」の実現

・小学校高学年で、外国語や理科、体育などの専科指導を行えるよう、専科担当教員や専門性の高い教員の定数を充実させる。

・「主体的・対話的な学び」「より深い学び」の実現のために、アクティブ・ラーニングの指導ができる教員を充実させる。また、少人数指導を実施するための必要な教員定数を確保する。

2.子どもたち一人ひとりの状況に対応した教育

・発達障害、言語障害などの子どもに対して、通常学級に在籍しながら特別指導を受けられるよう、必要な教員を配置する。

・外国人生徒に対して、日本語能力に応じた特別指導が受けられるよう必要な教員を配置する。

・貧困による学力課題が生じている場合に、放課後の学習相談や補充学習、家庭学習サポートなどきめ細かい支援を行う教員を配置する。

・いじめや不登校を未然に防ぎ、早期対応できるよう、組織的な指導体制を構築する。

3.次世代の学校・地域創生プラン

・教員の質を向上させるために、若手教員の多い学校には指導教諭を配置し、校内研修を充実させる。

・学校業務の改善、教育の情報化を推進するために、学校事務職員の体制を強化する。

・教育水準引き上げのため、各自治体が提案する「先導的実践加配制度」を実施し、各自治体が地域の学校教育の実情と、これまで得た現場での経験やさまざまな統計に基づくデータを用いて最適な教育制度や施策を提案する。

このように、学校教育の現状を踏まえたうえで、3つの視点から次世代の学校教育に関する構想が練られています。

まとめ

2020年に大学入試のあり方が変わることが大きな教育改革の一つであり、そこから派生して様々な教育内容の見直しが実施または計画されていることが分かりました。

今では考えられない職業が生まれ、自ら考えて将来をつかむことのできる「能動的な」子どもたちがたくさん育つ時代がもうすぐやってくるはずです。

学校教育は、時代や社会情勢によって変化していくもの。

今回公表された「次世代の学校指導体制強化のためのタスクフォース」によって、学校教育は、これからの時代にマッチした形に最適化されていくのではないでしょうか。

お子様がいる家庭など今後の日本の教育の変化にも対応できるよう今後の教育について意識をしておくと良いのではないのでしょうか?